그 날 밤에

미아는 아직도, 그 날 있었던 일을 똑똑히 기억하고 있었다. ‘그 날’까지만 해도, 미아는 이제 5학년 가을에 접어드는 그냥 보통 여자애였을 뿐이었다. 만약 일년 뒤, 아니 몇달 뒤에 자기가 이런 모습으로 낯선 데에 있단 걸 들으면 오래 전 자신은 어떤 반응을 보일...

홀로살기

이렇게 미아는, 얼떨결에 홀로살기라는 새로운 삶을 시작하게 되었다. 미아는 지금껏, 혼자살게 되면 가장 중요한 건 침대나 의자같은 큼직큼직한 가구라고 생각했다. 하지만 정말로 혼자 지내게 된 지금, 미아는 가장 중요한 건 그런 눈에 보이는 게 아니라는 사실을 깨닫게 되었다. 혼자사는 이...

보금자리

미아는 조심스레 열쇠구멍에 꽂힌 열쇠를 돌린 뒤, 문을 열고 안으로 들어갔다. 이런 ‘다른 모습’이 되기 전에, 미아는 이런 식으로 혼자 사는 걸 꿈꾼 적이 있었다.특히 부모님이 크게 싸우는 날 밤엔 더더욱 그랬다. 도망갈 곳이라곤 어디에도 없는 집안에서 숨을 죽인...

機械仕掛けのコスモス・ 遊戯

「……っ」 眩しい日差しに起こされて、俺は目を覚ます。 今が朝だということに気づいた俺が先にやったのは、体を起こして外に出ることだった。 そう、確認しておかなければならない。 ……昨日の出来事が、夢だったのかどうかを。  ハナさんの家を出て、たどたどしい足取りで横へと回り込む。 祈るように昨日のあの場所を見てみたが――...

機械仕掛けのコスモス・ 警戒

「はぁ……」 いつの間にか周りが暗くなってしまった頃。 俺はハナさんのお言葉に甘えて、ここの浴室を使わせてもらうことになった。 当たり前だが、機械は基本的に「機体を洗うこと」と縁がない。俺も初めて「お風呂場はご自由に使ってくださいね」と言われた時には、思わず目が丸くなった。 ……機械のくせにどうしてこういう言い回しが出...

あおぞら――プロローグ/逃避

 あの暗い夜に、俺は妹と「あの家」を出て行った。 ――二人が入れ替わっているという、あまりにも絶体絶命の状況で。  時は冬。 もう2月も後半になったばかりだが、未だに寒い日々は続いていた。それも、とても暗い真夜中のことである。 だが、俺たちは急がなければならなかった。 もう、あの家にはいられない。 蒼乃だってそう思って...

あすはれ――過去と今

 僕が初めて耕平の父親と会ったのは、今から二ヶ月くらい前のことだった。  確か、それはある休日の午後のこと。 なぜかすごく耕平に押されて、あいつの家へ二回目に訪れることになったあの時。「ああ、耕平の友だちかい」 そこの居間には、少しだけ無口そうで、なぜか儚さを感じさせる男性がいた。 玄関にいる僕にまで届くくらい重厚で、...

機械仕掛けのコスモス・認識

 ――この世の中には、「ギガント」というものがある。 わかりやすく言うと、それは巨大ロボットと同じものだ。 他国との戦闘に向けて作られた、現代技術の結晶。実用性などはほぼ考えられず、あくまで見せつけのために作られた兵器。 最先端の技術が詰め込められたはずなのに、実戦ではあまり役に立たず、後方支援やら偵察などに使われるこ...

はじめての夜

※ここから先は、18歳以下の方に不適切な表現があります  そうやって、心が通じたことはいいものの。「……」「……」 私たちはしばらく何も言い出せず、そのまま黙っていた。 だって、気持ちも確かめた。キスもした。ここまで来たら、残っているものは一つしかない。 ……いや、別に「絶対に」やらなきゃいけないわけでもないけれど。 ...

突然の出会い(2)

「……眷属って、本当ですか?」 しばらくぼっとしていた良平が、ヒマリの方を向く。いつもとは違って、からかう様子はまったくなかった。「あ、ああ……それもそろそろ、説明しておく必要が出てきたわね」「なんだ、ヒマリちゃんって、まだみんなに眷属のこと、喋ってなかったのかい?」「いや、ここまで長い付き合いになるとかまったく思わな...