明日が晴れになる前に。

僕と先輩は、あの日、運命的な出会いを――

僕は、あまりにも平凡な人生を歩いてきた。
自分の親父がある日突然、どこかに消えてしまったことを除くとこれまた普通の親友と、いつものようにありふれた日々を過ごす僕の学校には、生徒会長でもある、才色兼備、容貌端正の先輩がいた。長い黒髪が印象に残る、うかつに近寄れない雰囲気を持つ、孤高なる先輩。いつの日からか、すっかり大人びてきたという話も多い、憧れの先輩。
そんな高嶺の花である先輩と僕に、接点なんて、あるわけなかったが――
ある日、僕はふと見てしまう。
あの先輩が、夕暮れの空いた教室の中で、あまりにも辛そうな顔で泣きじゃくっていることを――

これは、先輩と僕の、ありえないくらいにおかしい、「これから」の人生の物語。

明日が晴れになる前に。

過去と今