87.ありがと、みんな
いろいろあったけれど、ようやくやってきた休日の午後。「お、おう、来てくれたんだな、柾木」 私は珍しくも慎治に呼ばれて、ここ、いつもの公園までやってきていた。 ……こいつ、以前には「話すだけなのに、わざわざ公園まで呼び出して」なんか言ってきたくせに、今度はどういう風の吹き回しなんだろうか。 正直、かなりわかりかねる。 ...
いろいろあったけれど、ようやくやってきた休日の午後。「お、おう、来てくれたんだな、柾木」 私は珍しくも慎治に呼ばれて、ここ、いつもの公園までやってきていた。 ……こいつ、以前には「話すだけなのに、わざわざ公園まで呼び出して」なんか言ってきたくせに、今度はどういう風の吹き回しなんだろうか。 正直、かなりわかりかねる。 ...
……昨夜はどうやって眠りについたんだろう。 次の日の朝、なんとか目が覚めたものの、私は未だにそれがわからなかった。 相変わらず頭が重くて、何も考えられない。だけど、私は社会人なんだから、そろそろしっかりしなくてはいけないんだ。 わかっている。わかっているつもりだけど―― 今は、どうしても体に力が入らなかった。...
「はぁ……」 思わず、ため息が口からこぼれ落ちる。 こういうのが、心も体もボロボロになった、という状態なんだろうか。何もかもが虚しくて、気力も何も湧いてこない。 こういう気持ちは、初めてだ。 今、私は完全に参っているんだ。なぜか今は、それがはっきりとわかる……というか、すんなりと納得できそうだった。 そんな虚...
そして、あっという間に時間は過ぎ。 「そろそろか……」 私はあの日「反軍」の方から指定された、近くの喫茶店に向かっていた。 おかしいほど晴れ晴れな天気が、今の私の心とは見事に異なっていて、どこかいらいらする。 もちろん、この件についてはすでに上層部に報告を済ませている。「あいつら、いったいどういうつもりなんだ」...
「反軍」が攻めてきた日、「組織」はいつもより何倍も忙しくなる。 基本的に、「反軍」は世界の「組織」とされる様々な施設を一斉に攻撃する。たぶんそのやり方が、いちばん「組織」の盲点をつけられると思っているのだろう。従って、「反軍」に責められると、全世界の「組織」に賛同するところ、つまり日本としてはここが一番騒がしくなってし...
「ふいー最近はだんだん日差しが強くなってるなぁ」 明後日の昼頃、「組織」の廊下で出会った慎治は、すごく疲れた顔をしていた。 もう8月も本番だ。今頃、外に出かければひどいくらい汗が出てくる。さっきまで外で遊んでばかりいた慎治が暑がるのも当たり前だろう。 「こういう日に、外を一周走ってこい! とか言われたらマジで死ぬわ...