対等

 次の日の朝。 窓から入ってきた日差しで目覚めた俺は、布団から体を起こそうとして、一瞬、自分の目を疑った。「……これは、なんだ?」 自分の目は、その「おかしいところ」に固定されている。 それもそのはず、そこにはなんと―― ――股間の方が、もっこりと持ち上げられていたのだ。  ……これって、どういう現象なんだ? 俺はしば...

自己定義

 次の日の朝。 いつものように目覚めたのはいいものの、なぜか体の調子がいつもと違った。 いや、こんな「人間」の姿になって、そもそもあんまり日は経ってないのだが……。 ともかく、どこか「違う」感じがしたことは間違いない。 よくわからないが、どこかで変な匂いがするような感覚があった。 「チサさん、起きておられますか?」 そ...

또소녀_붉은 밤의 시작

이제 계절도 여름으로 접어든 6월 첫날.항상 그렇듯 자기 집으로 모여든 친구들과 같이 시간을 보내던 미아는, 갑자기 울리는 예고도 없는 벨소리에 깜짝 놀랐다.“미아야. 오늘 누구 와?”“아니, 그건 아닐 텐데…”겁먹은 목소리로 백설이 말을 걸어...

04

 「そう言えばわたし、こうなってから初めて気づいた」 「何をだ?」 「あ、ちょっと言いづらいんだけど、兄さんも、その、性欲とか出したりする人だったんだな、と……」 「ちょ、ちょっと、それはさすがに恥ずかしいぞ……?」 いかん、蒼乃に『そういう』免疫があまりなかったことを忘れていた。当たり前だが、ああいう話題は口にしたこ...

03

 「兄さん」 「……なんだ?」 「その、今のわたしが『兄さん』と呼ぶの、気持ち悪くない?」 「気持ち? あ、ああ、そのことか」 俺は蒼乃の言いたいことがわかった気がして、つい苦笑してしまう。確かに、何も知らない人から見ればおかしいはずだ。蒼乃の『兄さん』は普通とアクセントが違うから。 だから、今の俺は普通に『兄さん』で...

あおぞら_02

「こ、これが制服なんだ」 自分の制服を目の前にして、蒼乃がそう呟く。そりゃ、蒼乃には戸惑うしかないだろう。なんにせよ、それは元なら『俺』が着るべきもの、つまり男性用の服だからだ。 「どうだ。着られそうなのか?」 「サイズは合いそうだけど……いざこうなってみると迷うね。わたしがこういうのを着るって、考えたこともないから」...

企画書(ジュブイク)

 近未来的な少年少女たちの愛し方。 「ジュブナイル・イクリプス」  ・あらすじ  ・仕様(スペック)  値段:8,800円(税抜き) 形:パッケージ(初回限定版)・DL販売 イベントCG:(差分抜きで)最低80~100枚  ※発売後に配信するアフター用のCGは除く 攻略ヒロイン:3人 ボイス:主人公を含めたフルボイス(...

古井市の長い夏休み

「今日もいい感じに晴れてるな~」 思いっきり背伸びをしながら、葉柴良平は誰もいない学校の廊下を歩いていた。真夏の朝は確かに蒸し暑いが、この爽やかさは良平のお気に入りでもある。 爽やかな朝風。廊下へと入ってくる眩しい日差し。真夏を歌うような小鳥たちのさえずり。8月の朝として、それらは最高に理想的なモノであった。「ぐ、ぐぇ...

ガールズトーク

「ん……最近はどちらかというと、数学の方が大変かな」 私に胸を弄られながら、雫はため息を漏らしつつ、そう答えた。「雫って確か、数学は得意な方だろ」「そうだけど~……はぁ、方程式とか微積分とか、全部難しいんだもの」「そりゃそうだろ。数学ってそういうものだし」「はぁ……ん……柾木って、今日は意地悪じゃない?」 そう拗ねたよ...

永遠の下っ端 葉柴良平の一日(2)

 良平はもう一回、呆けた顔で目の前の人物、月島健太郎……というか紗絵を見つめた。「あれ? 良平さん、どうかしましたか?」 目の前の少女……つまり紗絵は、不思議という顔で首を傾げる。はっきり言って、良平よりも歳がありそうな成人の男性には滑稽な仕草だった。 ……まあ、紗絵さんはそんなこと、気にもしていないと思うけどな。