黄昏幻譚・システム

システム。 装備とか専用武器とか。装備は能力値の底上げ。専用武器はそれプラススキルの追加。 「思い出」という装備があって、これは一つのチームに一つだけ装着できる。これは「場」にバフやデバフ(相手向け)を与えるアイテム。イベなどで入手。 ちなみに、本作のバフ・デバフ・状態異常などは常にバトル場面で確認できる(消すのも可能...

32.いぬうさ合戦

 その日の夜。 「ぐーぐー」  私は、自分のとなりでスヤスヤと眠っている秀樹をじっと見つめていた。秀樹も今日はずいぶん疲れたのか、私の視線には気もつかず、ぐっすり寝ている。  その横顔は、たとえ「別の姿」だとしても、とても愛しくて、思わず顔が緩んでしまいそうだった。  今の私、幸せだな。  そんなことを思いつつも、私は...

30.こんなことは危ない

「じゃじゃーん。ここが柾木の家!」 「別にすごいことじゃないし、そもそも二回目だろ、お前」  そうして無事にデートが終わってから、私たちは自分の家にやってきた。今日は外を回ってばかりだったから、このくらいで休んでおいた方が良い、と思ったからだ。  そういや、秀樹がここ、私の部屋にやってくるのは今度が二回目だ。しかも今度...

29.再び、デート

 それから、ようやくやってきた土曜日。  私はついに、秀樹と「正しい」デートができるようになった。 「あ、柾木! こっちこっち~」  約束した場所まで行ってみると、秀樹はすでに私のことを待っていた。自分も時間ピッタリでついたはずなのに、秀樹ったら、どれくらい先にここで待っててくれたのだろう。 「ごめん、待たせたか?」 ...

27.ようやく、告白した

 秀樹に告白しよう、と決めたことはいいものの。  いったいどうしたらいいんだろうか、と私は悩む。  だって、告白とか、したこと、あるわけない。それに自分って、こういう「素直にならなきゃならない」ことに、めっぽう弱いんだ。  でも、こう決めた以上、やるしかない。  こんな照れくさいこと、みんな、どうやってやり遂げたのだろ...

26.決断の時

「柾木、ここがわかんないんだけどさー」  その日、私は自分の執務室で、秀樹に勉強を教えていた。  秀樹もしばらく学園に行ってないし、私も今日はまだ余裕があったため、こうしていっしょに勉強することにしたのだ。  まあ、もう二人きりでいることにもだいぶ慣れたけど、最近は自分の気持ちに気づいたからか、こうしていることが妙に照...

25.これが「好き」ってことかな

「あれ、柾木って最近ぼうっとしてるよね。珍しいっていうか、なんていうか」「そ、そうか。そうかもな」「うーん。疲れた? やっぱり、学園生のうちにお仕事をやるのは辛い?」「まあ、それもないわけでは……」「そっか、じゃ、応援してあげようか? がんばれーがんばれーとか?」「そ、それはちょっと、その、自分が……」  どうしたんだ...

24.ある夜のこと

「どこ行ったんだ、まったく……」 秀樹の家を訪れて二日くらい経った、ある日の夕暮れ。  私は珍しく外を走り回りながら、秀樹の姿を探していた。さっき、「組織」の建物の中で、秀樹の姿が見つからないことに気づいたからだ。  どこに行ったんだろう。もう外に出入りしてもいいって許可は取れたものの、やっぱり、あまり遠くまで秀樹一人...

23.今度は秀樹の家に行くことになった

「……ここなのか?」 「うん! ここが俺んち。柾木は初めてだよね?」 「そりゃ当たり前だと思うが……」  次の日。  私は生まれて初めて、秀樹の家の前にやってきた。秀樹にものすごい勢いで「いっしょに行こうよ~」と誘われたのが原因である。  最近、秀樹は状況も安定されてきたため、「別の姿」ではあるが、私といっしょならしば...

22.正妻の座は渡さない

 それは、私が作戦部長に決まって、間もない頃の話。「話は聞いた。あの作戦部長は、お前に決まったようだな」 あの時のように、廊下で出会うことになったお父さんは、私にそう話しかけた。 もちろん、お父さんは私より偉いのだから、ああ言う話にも初めてから関わっていたのだろう。「はい。そのようですが……」「まあ、お前のことだ。少な...