[글쓴이:] 리루에스
Ex02. もうひとつのイクリプス
みんなには普通に、いいヤツのように振る舞っている。 だが、心の中では寂しかったり、苦しかったり、そういう暗い感情も渦巻いていた。 誰にもこんな心の中なんか、バレたくない。きっとみんな遠ざかってしまうから。 ずっと、そんなふうに思っていた。以前彼女ができた時だって、それは変わらなかった。 だから、これからもずっと、自分...
70.そして、私たちは
美智琉と再び出会ったのは、それから少し日が経った時だった。 ――今度こそ美由美の兄弟たちにお菓子をちゃんと渡そう。 そんなことを思いながら大通りを歩いていると、ふと、図ったように美智琉と出くわすことになったんだ。 「ところで、それからそっちは大丈夫だったか?」 すべてを語った私がそう聞くと、美智琉は複雑そうな顔をし...
66.わたしは普通じゃないかもしれないけれど
次の日の昼。「組織」の近くにあるいつもの公園。 すっかり常連になってしまったな、としみじみ思いつつ、私は美由美とまたここにやってきた。 別に大した理由があったわけではない。 ただ、なんとなくここでいっしょに時間を過ごそう、という空気になった。 「あの、柾木くん。さっきからずっとそわそわしてますけど……」 私の...
65.資格とか、そういうものなんて
「な、なんですか。いきなり呼び出して」 美由美と出かけてから少し時間がたったある日。 私は珍しく、以前の番号を利用して美智琉をあの喫茶店まで呼び出していた。 もちろん、理由もなく呼び出したわけじゃない。こっちはちゃんと、美智琉に用件があったんだ。 「さあ、受け取ってくれ」 「な、なんです?!」 私が懐の中で「そ...
64.あなたの、いちばんの友だちになりたいけれど
「ところで柾木、高梨さんとのデートは上手く行った?」「あ?」 美智琉とカフェで話してから、次の日。 私はなぜか、久しぶりにこの「組織」までやってきた秀樹にそんなことを聞かれていた。 「何言ってるんだ、まったく」 「え~? 以前のあれって、誰からどう見てもデートでしょ?」 「だ、だから、そんなものじゃなくて……」 ...
メモ01
「お前、そんな生き方で楽しいのか?」 そう後ろから話しかけられたとたん、私の心が、ぎゅっと凍ったような気がした。 ここはただの女子高校のグラウンド。ついでに、体育の時間が終わったところ。 クラスメイトであるその人は、まるで子供の頃のガキ大将がそのまま女の子になったようなイメージ。 ぶっきらぼうで、誰にも壁を作っ...
62.美由美とのデート
「そ、それにしても、さっきはびっくりしました」 しばらく時間が経ってから、とあるオシャレなカフェの中で。 アイスチョコレートドリンクを口にした美由美が、そんなことを話してきた。 「あ、ひ……橘たちのことだな」 「呼び方は別に今までで大丈夫です。橘さんと柾木くん、付き合ってるのは周りから聞きました」 「そ、そ、そうか...