世界は、空に縦並ぶ、幾千の「島」で出来ている――
ここは、果てしなく「深い」空に、さまざまな島が「縦」に浮かんでいる世界。
その世界の果て、「いちばん高いところ」を知っている人は誰もいない。
だって、ここはその数多い島の中でも、いちばん「低い」ところだから。
まるで何かの塔のような、島たちで出来上がっている不思議な世界。
その島たちはあまりにもお互いが「遠い」ため、すぐ近くにある島じゃないと存在すらわからないくらい謎であった。島(せかい)たちは遠く遠く離れている。文化も感覚も何もかもが、途切れたままで長い時間だけが流れていった。
この世界の果てはどこだろう。
「いちばん高い島」には、いったい何があるんだろう。
話によると、島によってその雰囲気は大きく変わり、まるで独立された世界のような感じらしいが、なにせ、この目で確認したことがまったくないから、よくわからない。
この空のとこかにあるかもしれない図書館島、「樹木」で出来ている不思議な島。
話は伝わってくるけど、果たして、そういうところが現実にありえるのだろうか。
そもそも、どうして世界はこういう形をしているんだろう。
昔の「世界」は今のような「空に浮かぶ諸島」の集まりではなく、たった一つの世界だったものが、幾千に千切れて散りばめられたまま、「今のような島」になったとも言われているが――
そんなことをぼんやりと思っていた一人の「少女」は。
ある日、仲間たちといっしょに「世界の果て」、いちばん高いところへと向かう。
「本当の世界」の姿を知るために。
曇り一つない青空を見つけ、こっちに向けて「体だけを投げてきた」お父さんへとたどり着くために――
- 「島」
この世界を構成するもの。どれくらいの「島」が存在するのかは誰にもわからない(と思われる)。
基本的に、近く(上や下)にある島ならば島によって違う方法で訪れることができるが、当たり前だけど難易度は島によって違うし(なかなか許可が下りなかったり)、そもそもいろいろ事情(内戦など)があるため、「諸島の下から上までを全て見て歩いた」人は存在していない(と言われる)。
もちろん、筋の通った連絡網などはまったく存在せず、今、世界の構成する島たちは「近くにあるところでもない限り」交流ところか、連絡すら取ることができない(方法が存在していない)。ある意味、お互いは完璧に独立しているとも言える。そもそも、自分の島(せかい)ではない島が、いったいどういうところなのか知らない人が圧倒的に多い。
ただ、昔は一つの「大陸」であり、その大陸が千切れて散りばめられて、今のような「世界」になったとは言われている。真意は不明。
- 主人公の友だち
主人公の少女の友だち。女の子。
- 街の少年
いつも主人公の少女にちょっかいを出す男の子。「し、仕方ないからついて行ってやるからな!」なんてことを言って、主人公たちの旅を共にする。
- 登場する「島」たち
- 聖堂島(聖なる島)
- 全てが汽車で繋がっている島
- 無数の穴があって、人間はみんな、その上の柱たちの作っている道にだけ住んでいる島
- 高いビルのつながりでできていて、人たちはここにないもの(自然とか娯楽など)を架空のもので埋めようとする島
- 大きい水たまりでできている島
- 全てが地下に存在する島
- 大きな生き物の上でみんなが生きてゆく島(っていうか生き物自体)
- 学園島
- どこまでも自然が広がっている「いちばん底の」島
- テーマパークな島
- 底が割れやすいガラスになっていて、ついでに歩くたびにちょっと沈んで、道も細く往来に適してないため、みんながそれぞれ離れたところで住んで、交流は遠隔で行われている島