03. 2035年の朝
そして、幾つかの日々が過ぎてから。 2035年の6月。夏が始まったばかりである今。 『ぴーぴー』「な、何?!」 自分のベッドで寝ていた私は、その突飛な音に目を覚ました。 ――も、ものすごくうるさいんだけど、あれ。 気を取り戻して「そっち」を見たら、そこには自分が昔から使ってきた『端末』の画面がぼんやりと浮かんでいた。...
そして、幾つかの日々が過ぎてから。 2035年の6月。夏が始まったばかりである今。 『ぴーぴー』「な、何?!」 自分のベッドで寝ていた私は、その突飛な音に目を覚ました。 ――も、ものすごくうるさいんだけど、あれ。 気を取り戻して「そっち」を見たら、そこには自分が昔から使ってきた『端末』の画面がぼんやりと浮かんでいた。...
それから、ちょっと時間が過ぎたある日。 その瞬間は、急にやってきた。「ねえ。柾木ちゃん」 ある晴れた日の朝。まだ寝ていた私は、知らない人の声で目を覚ました。 いつも私を起こしてくれてた、お姉ちゃんとちょっとだけ似た話し方。 でも、何か違う。 そんなことを思いながら、目をさましてみると―― そこには、自分が考えもしなか...
それは今より昔の話。 私がまだ普通の女の子であった、幼い頃の話。 「ねえ」 いつものとおり、私はお姉ちゃんに長い髪をとかさせてもらっていた。 幼い頃からよくおませさんと言われていた私は、この歳になっても未だにお姉ちゃんに髪を結ばせてもらっているのが、ちょっぴり恥ずかしかった。 お姉ちゃんはそんな私の思いをよくわかって...