あおぞら_あらすじ

あらすじ

 その夜、高橋青樹は、自分の妹、高橋蒼乃の手を掴んで自分の家を出た。
 ーお互いの姿が、入れ替わったままで。

 もう冬が終わって、ようやく新学期が始まろうとしていた。
 二人は安全なところー美空町(みそらちょう)にやってきて、おかげで新しい生活をスタートすることができた。
 相変わらず姿はそのままだが、いつかは必ず、元に戻れるということだ。だが、そんなのは今、重要なものではない。

「いつ」、元に戻れる?
「本当」に、元に戻れると言い切れるのか?

 今まで二人だけの時間があまりなかった兄妹に、この時間はあまりにも長く、そして深い。
 お互いがお互いのことを誰よりも思っていたは事実だが、あまりにも遠ざかっていた時間が長く、しばらく二人の関係はどこかぎこちないものだった。お互いが入れ替わっていたからこそ、その印象はなおさら強い。似た者同士であるくせに、お互いのことを何よりも思っているくせに、それを「どうすれば」いいのかわかっていない。優しく接しているつもりなのに、どこかぎこちない。

 そんなときだって、時間はいつもゆるやかに流れてゆく。兄妹一緒に入ることになった軽音部の頼れる「先輩」、いきなりできた「友達」、妹ーつまり「自分」を「好き」だという女の子。そしてー

 これは、一つの兄妹が仲間と共に「あおぞら」の下で生きてゆく、少しだけ変わった、静かで激しい物語。